モーグルW杯~秋田たざわ湖大会~
「あー、モーグルね。こぶの上を滑ってきて、途中飛ぶやつでしょ?」
まるで競技をなめているとしか思えない程度の知識しかなかった私たちだったが、スピード感とその迫力に圧倒され、食い入るように選手を見つめた。
2月27日、28日と秋田県たざわ湖スキー場にてモーグルW杯が開催されている。初日だった昨日、ミーハーな夫と私は「ワールドカップ!」という言葉に惹かれ、叔父引率の元たざわ湖スキー場へと向かった。
先週続いた雨の影響が懸念されたが、心配をよそにコースをきれいなこぶが並ぶ。練習の合間に大会スタッフと迷彩柄のウェアを来た自衛隊がコースの整備にあたり、選手たちを待ち構える。スピーカーからガンガン響く音楽に観客のムードも最高潮。
観客席はコースのすぐ横に設けられ、手を伸ばせば届きそうな距離を滑って行く。大迫力で観戦。しかも無料。なんとお得!
モーグルの得点は3要素で決まる。
ターン 60点、エア 20点、スピード 20点のトータル100満点。
全く無知な私はてっきりタイムばかりが大事だと思い、「どうしてさっきの選手の方が早かったのに今の選手の方が上位なのか」という疑問があったが、なるほどガッテンした。
ありがとう大会パンフレット。
予選が行われ、上位16位が決勝進出。その中でさらに6位以内に入った選手でスーパーファイナルが行われる。全長約320メートルのコースをたった20~30秒で降りてくるものだからすごいスピードである。おまけに男子となるとスピードはもちろんだが、エアの飛距離と高さが格段に違う。すごい選手となると空中をスローモーションで飛んでいるように感じる。それに、それまでの得点は引っ張らないから、いつでも本気の一本勝負。優勝候補と言われた選手が少し大勢を崩して敗退した時は、勝負の世界の厳しさを感じた。
日本人選手の表彰台はなかったものの、男子で4位と大健闘。
それまで、その選手の名前すら知らなかったのに、決勝で彼の滑る姿を見ながら手のひら合わせて祈っている自分がいた。どうやらにわかファンでは終わらなそうだ。
食堂に行くとさっきまで真剣勝負を繰り広げられた選手たちが、談笑しながら食事をとっていた。外国人選手たちがすするラーメン。
いろんな意味で世界の超一流を間近で感じられる大会だった。