coalamogu

~農家一年生とゆかいな仲間たち~

ウィンタースポーツ

「はい、これ飲め!」

途中でばあちゃんが窓からりんごジュースを差し出す。

どんなに寒くても、じんわり汗がにじんでくる。体力も水分も奪われ、体はヘトヘト。雪寄せ(雪かき)は重労働であり、スポーツなのだ。

こっちでは「雪かき」ではなく、「雪寄せ」と言う。確かに雪をがっぽりつかんで邪魔にならないところへ移動させるのは、「かき」よりは「寄せ」という言葉の方がイメージに合っているかもしれない。

東京ではたったの数センチ降っただけで「大雪」と騒ぎ、交通機関は麻痺。私も1月の「大雪」の影響で、電車はおろか駅に入るまでに何時間も並んだ。いつもなら40分足らずの職場まで4時間かかった。たったの数センチで終日ニュースになるようなら、秋田をはじめ豪雪地帯のテレビは連日「大雪」のニュースで持越しだろう。たとえ10センチ、20センチ降っても、暴風雪の警報が出ても、「公立高校の倍率」などさすがは学力テスト全国一位の県!と感心するようなローカルニュースがながている。

先週の日曜日、横手市の浅舞にてスポーツ雪寄せの世界大会が開催された。

【ルールは簡単】

①1チーム3~5人

②競技時間90分(前半45分、後半45分)ハーフタイム30分

③横幅2.5メートルの雪を制限時間内に何メートル雪寄せできたか競う

④参加料2000円

今年も「世界新記録」で地元のチームが連覇を果たした。世界大会と言えども、参加国は日本だけ。 噂によると、オリンピック競技を目指しているらしい。

SUMOやKARATEの日本生まれのスポーツを並んで

「YUKIYOSE」

を見られる日は来るのだろうか。

話は戻って、雪寄せ歴70年の師匠指導のもと、わが家の雪寄せ大会はまだ続く。

東京の予報は晴れ。こうして、汗水たらしながら「太平洋側の分も雪寄せしている。私たちが東京の晴れを守っているんだ!」と妙な使命感に駆られ、やる気は最高潮。

頑張れ、未来のオリンピック候補。

喉を通るりんごジュースが体中に染みわたった。